アメリカでメディア露出を狙うには?
New York TimesやToday Showなど、アメリカの大手メディアで競合他社の商品のことが取り上げられ「どうやって仕込んだんだろう?」「うちの会社も紹介して欲しい!」と思ったことはないでしょうか?
アメリカでのメディア露出は基本的に難しい
広告費を払えば、メディアはもちろん商品を紹介してくれます。しかし広告タイアップ、つまりPRと純粋なメディア露出では一般消費者からの見え方は明らかに異なり、純粋なメディア露出のほうが信頼度が高く、価値があることは明確です。
何らかの形でお金は払うけど、宣伝であることは隠して掲載してもらえば良いのでは?と考える人もいるかもしれません。これはいわゆるステルスマーケティングの手法ですが、アメリカの連邦取引委員会(Federal Trade Commission、通称FTC。日本では消費者庁が管轄)は「広告や宣伝である場合には、それを明示しなければならない」と定めているため、アメリカでステマは違法になります。これは大手メディアでも個人インフルエンサーでも、金銭や何らかのインセンティブが発生するケースに適用されます。
大手メディア所属のライターとたまたまコネクションがある、メディア側が偶然にもどこかから商品のことを知りコンタクトして来た、ということもゼロではないでしょうが、座して待つのみでは運頼みになります。ということで基本的にはPRピッチをし、メディア側にアプローチしていく活動が必要になります。
PRピッチとは?
PRピッチとは、取り上げてもらいたい内容を簡潔にまとめたEメールや書面を、メディアやPR会社に送付することです。編集者やライター個人の連絡先が分かっていればベストですが、知らない場合はPressやEditorの部署宛てにコンタクトすることになります。PRピッチにはEメールがもっともよく利用されますが、面識がない相手であれば自分の紹介も込めてLinkedInでファーストアプローチを図る方法もあります。
メディアからの返信率は3%以下
PRプラットフォーム会社のPropelによると、2023年4月から6月の3ヶ月間で、約50万通のPRピッチが同プラットフォームから送付されたそうです。そのうち、平均開封率は約49%、そして平均返信率は2.99%というレポートが発表されています。つまりPRピッチを送っても、担当者に読んでもらえる可能性はおよそ1/2、返信があるのは100通送って3件という確率です。
開封率・返信率を上げるために工夫できること
ということで、アメリカでメディアに取り上げてもらうのはかなり狭き門ということが言えます。何十通送っても返信ゼロ、ということも多分にありえるので無駄になる可能性はありますが、その代わり取り上げてもらえた場合のインパクトは絶大です。何より、アプローチしてみないことには何も始まりませんので、トライする価値はあるでしょう。開封率・返信率を上げるためのアドバイスを以下にいくつか挙げますので、PRピッチの参考にしてみてください。
PRピッチのコツ
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送信のタイミング:1週間のうちで火曜日が最適とされています。週末は避けましょう。
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メールの件名:短いほうがベターです。5ワード以内に収めましょう。それ以上になると、開封率は平均3%にまで下がるという調査結果が出ています。
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本文の長さ:こちらも短めのほうが返信率が高くなる傾向があります。51~150ワード以内で完結するようにしましょう。