アメリカでのインフルエンサーマーケティング②:Earnedメディアの重要性

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アメリカでのインフルエンサーマーケティング②:Earnedメディアの重要性

アメリカでのインフルエンサーマーケティングの記事の続きです。前回はインフルエンサーに支払う報酬の相場についてお話ししました。

前回記事:アメリカでのインフルエンサーマーケティング①:報酬の相場はどのくらい?

 

インフルエンサーマーケティング市場は年々拡大し続けています。2016年には17億ドルだった世界市場規模は、今年2022年には約10倍の164億ドルに達すると予測されています。アメリカでも企業の大中小を問わず、インフルエンサーの起用は必要なマーケティング手法の1つとして予算に組み込まれています。

従来型の広告より手間が掛かる上にコントロールも難しいというのに、世界の企業たちはなぜインフルエンサーマーケティングにシフトするのでしょうか?他のオンラインメディアとは何が違うのでしょう?

 

“友だちや家族”はもっとも信頼性のある情報ソース

とある商品やブランドのことを知りたいとき、あなたはどうやって情報を手に入れるでしょうか?Googleで検索したり、Amazonでレビューを読んだり、学校や職場で聞いてみたりすると思います。そしてそれらの情報をどれくらい信じますか?

アメリカでのインフルエンサーマーケティング Onboardブログ

上記はリサーチ会社のKantarが2020年、アメリカ・UK・ドイツ・スペイン・フランス・中国・ブラジル・アルゼンチンで総計7,753名を対象に行った調査結果です。「ブランドやサービスに関する情報源として、これらを信用しますか?」という質問に対し、最多は“友だちや家族”で93%、僅差で“レビューサイト”が91%でした。“広告”は38%でもっとも低く、半数以上が広告からの情報は信用していないことが分かります。

 

WOM(Word-of-Mouth=口コミ)のパワー

以下は3年半前なので少し古いデータですが、18歳以上のアメリカ人を対象に「何かを購入するとき、誰からの情報が最も影響するか?」を年代グループに分けて調査した結果です。

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ここでも”友だちや家族”が圧倒的である様子が見えます。ただし18~34歳の比較的若い世代に限っては、“オンライン上のインフルエンサー”についても22%が信用すると回答しています。それでも”友だちや家族”とは大きく差がありますが、前述のKantarの調査を踏まえると“広告”はそのさらに下ということになります。

口コミのことを英語ではWOM (Word-of-mouth)と言います。購入促進という観点において、口コミのパワーは絶大なものがあります。それは皆さん自身の購買行動を振り返ってみても分かると思います。一方で、口コミというのは意図して生み出せるものではないので、企業側が注力するのはあくまでもマーケティングでコントロールできる部分ということになります。

 

インフルエンサーはCredibilityの高いメディア

マーケティングにおいて、情報やメディアに対する信頼度を”Credibility”という言葉で表現します。以下はNielsenの2021年のリサーチで、消費者の各メディア・情報ソースに対するCredibilityを表しています。

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”知っている人からのお薦め”がここでもトップですが、“インフルエンサーによる投稿 (Advertising/opinions about brands/product placements from influencers)”も71%の信用を得ていることが分かります。逆に、”オンラインのバナー広告”や”リスティング広告”、”動画広告”など従来型のオンライン広告は「Don’t Trust」つまり信頼しないという回答の方が多くなっています。

 

消費者の購買を後押しするものとは?

メディアには、Owned・Paid・Earnedの3種類があります。アメリカでマーケティング戦略を練る際には、この3つをバランスよく考慮し実行するのが大切です。Paidメディアは消費者に広く浅くリーチするのには向いているのですが、これまで見てきたように、“購入を促す”メディアではありません。広告を見て商品のことを知った消費者が翌日お店に行って購入する、という時代は変わり、購入前に家族や友人・レビューサイト・インフルエンサーのポスト・SNS上での評判を確認してから買う、という購買行動がすでに一般的になっています。つまり、購買意欲の後押しをするのは”Earnedメディア”なのです。

インフルエンサーキャンペーンは報酬が発生するため、完全なEarnedメディアとは言えませんが、従来型のPaidメディアとはまったく性質が異なるものです。オンライン広告や自社のウェブサイト・ソーシャルメディアアカウントのみのマーケティングでなかなかROIが改善しない場合には、インフルエンサーの起用を検討してみてはいかがでしょうか。