アメリカでのインフルエンサーマーケティング①:報酬の相場はどのくらい?
インフルエンサーを起用したブランディング施策は、今や主要なデジタルマーケティング手法の1つとなりました。ソーシャルメディアの発展によってその重要性はさらに増しており、インフルエンサーキャンペーンの市場規模は世界的に拡大を続けています。
アメリカでインフルエンサーキャンペーンを実施するには
Onboardでも、アメリカでインフルエンサーマーケティングを実施したいというお問合せが年々多くなってきています。初めての試みなので何をどう進めたらよいか分からない、というクライアント様には進め方や概算予算・スケジュール・KPIなど企画段階からすべてご説明をするのですが、「インフルエンサーへの報酬は発生するのか?」というポイントはよくあるご質問の1つです。
結論から言うと、ケースバイケースです。インフルエンサーに取り上げてもらう商品を提供するだけの場合もあれば、商品と報酬どちらも渡す場合もあります。ただし、よほどの高額商品なら話は別ですが、商品提供のみで投稿してくれるようなインフルエンサーは効果もそれなりなので、基本的には商品提供に加えて報酬を支払うことを推奨します。
インフルエンサーへの報酬はどのくらいが妥当なのか?
すると次に、「報酬の相場はどの程度なのか?」と考えるかと思います。インフルエンサーへの報酬額はインターネットで調べても、”It depends.”、つまり条件によって異なるので一概には言えない、と書いてあるパターンが大半です。これは確かに、現実としては一番正しい答えです。使用するプラットフォームやコンテンツ・頻度・商品・業界・インフルエンサーのグレードや質によって、報酬額にはかなり幅があります。
という前提はあるのですが、インフルエンサーマーケティングが初めてで、おおまかな予算感だけでも掴みたい広告主にとっては目安だけでも知りたいところだと思います。Onboardが米系のインフルエンサーマーケティングエージェンシーより独自に入手した資料から、報酬に関する部分を一部ご紹介します。
インフルエンサーへの報酬相場(インスタグラム/フォロワー数別/2020年実績レポートより)
フィードポスト | 動画 | ストーリー | |
ナノインフルエンサー (フォロワー数:500~5,000) |
65ドル | 111ドル | 53ドル |
マイクロインフルエンサー (フォロワー数:5,000~30,000) |
170ドル | 261ドル | 100ドル |
パワーインフルエンサー (フォロワー数:30,000~500,000) |
535ドル | 960ドル | 222ドル |
セレブリティ (フォロワー数:500,000~) |
2,738ドル | 4,678ドル | 1,205ドル |
※グレードの分け方は調査会社の独自基準によるもの
インフルエンサーへの報酬相場(インスタグラム/年代別/2020年実績レポートより)
フィードポスト | 動画 | ストーリー | |
12~17歳 (アルファ世代) |
170ドル | 283ドル | 73ドル |
18~24歳 (Z世代) |
520ドル | 807ドル | 245ドル |
25~34歳 (ミレニアル世代) |
448ドル | 796ドル | 229ドル |
35~49歳 (X世代) |
211ドル | 241ドル | 122ドル |
※世代の分け方は調査会社の独自基準によるもの
インフルエンサーマーケティングはなぜ重要なのか?
上記は2020年にインフルエンサー約5,000名を対象に行われた調査結果で、金額はあくまで平均額です。前述のとおり、実際の報酬はキャンペーンやインフルエンサー個人の条件により前後するので、あくまで参考値として考えてください。
さて上記の結果を見ると、フォロワー数が多いほど報酬が上がるのは納得ですが、意外にもZ世代のインフルエンサーがもっとも高額であることが分かります。これは年代が下がるほど、従来型の広告や企業発信のマーケティングではリーチするのが難しくなっていることが関連していると思います。また社会的なプライバシー保護の風潮により、個人をターゲティングする広告手法にはどんどん規制がかかってきています。ここでインフルエンサーマーケティングが重要な役割を果たすことになります。次回はその点について、もう少し詳しく解説します。