転職時に給与交渉はする?しない? -アメリカの調査結果より
日本の34歳以下の若者を対象にした調査によると、8割以上の人が「現在所属している企業・団体に、終身雇用を期待していない」と回答したとのことです。副業の解禁やライフスタイルの多様化により、日本でも転職や独立は今後もっと一般的になっていくのかもしれませんね。
アメリカ人は平均4年に1回転職
アメリカの労働者は転職を繰り返すことでよく知られています。業界や業種・職種によってもちろん差はありますが、最新リサーチでは平均で4年に1回転職するという調査結果が出ています。転職時に、もっとも気になることは“給料・年収”ではないでしょうか?上記の日本の調査でも、現在の勤め先に残り続けたくない理由として一番多かったのは「報酬・待遇に不満がある」となっています。では、転職慣れしているアメリカ人たちは転職時の給与交渉はどうしているのでしょう?
転職時に給与交渉する人は半数以下
アメリカのPew Research Centerが、転職時の給与交渉に関する興味深いリサーチ結果を公表しました。今年の2月上旬に、5,500人以上の米国人労働者を対象に実施した調査によると、男性の約58%、女性の61%が、現在の仕事の採用時に給料アップを要求しなかったと回答しています。
全体平均では60%が「給与交渉はしなかった」と回答。30%が給与アップを要求、10%が覚えていないという結果でした。これは主張の強いアメリカ人にしてはちょっと意外ですね。
女性・若手ほど給与交渉はしない傾向
給与交渉をしなかった理由としては「金額アップを要求することに抵抗があった」「提示された額に満足していた」「その他」が挙げられました。これらの理由の割合は、男女で大きな差が見られます。
「提示された額に満足していた」と答えた人は、男性が42%に対し女性は36%。また「金額アップを要求することに抵抗があった」答えた人は、男性33%に対し女性は42%と女性の方が多く、つまり女性のほうが提示額が少ない割に金額交渉もしにくい環境が伺えます。
ちなみに、年代間でも同じようなギャップが見られました。年齢が若いほど「金額アップを要求することに抵抗があった」と回答しており、18-29歳のグループでは46%にのぼっています。
給与交渉の結果は?
給料アップを求めた人のうち、交渉がうまくいったと答えた人は28%、希望額よりは少ないが最初の提示額よりは増えたと答えた人は38%、最初に提示された額しかもらえなかったと答えた人は35%とのことです。ちなみに「最初の提示額しかもらえなかった」と回答した割合は女性が38%で男性は31%、ここでも女性のほうが給与交渉に苦戦している様子が分かります。
明らかになる男女間の給料格差
アメリカでは、カリフォルニア州・ニューヨーク州・ワシントン州を含むいくつかの州が、すべての求人情報に給与範囲を記載することを雇用主に義務付け、またイリノイ州やワシントンDCなどさらに多くの都市や州が、このような要件を追加することを検討しています。このような動きのもと、給与の透明性と男女の賃金格差(Gender Pay Gap)がより浮き彫りになってきています。