アメリカでのB2Bマーケティング Vol.4:LinkedInの特徴と使い方

末永 恵

アメリカでのB2Bマーケティング Vol.4:LinkedInの特徴と使い方

B2Bマーケティングには最低限押さえるべき3つのチャネル「ウェブサイト」「Eメール」「LinkedIn」があることを前回の記事でお話ししました。今回は日本ではいまいち馴染みの薄いLinkdInについて解説していきます。

 

LinkedIn (リンクトイン)とは?

LinkedInは2003年にシリコンバレーで創業したB2B向けソーシャルメディアです。2016年6月に262億ドル(約4兆円)でマイクロソフト社に買収され、現在はマイクロソフト傘下の企業となっています。日本では”リンクトイン”と呼ばれることが多いようですが、アメリカでは”リンクドイン”と発音されます。LinkedInはFacebookのビジネス版のようなもので、フィードに投稿をしたり個人や企業のページをフォローするのは他のSNSと変わりありませんが、活用方法としては企業広報・ネットワーキング・転職活動・ヘッドハンティングなど、ビジネス目的での利用がメインになります。

 

LinkedInのユーザーは高学歴・高所得

LinkedInのユーザー数は全世界で約10億人、現在200ヶ国で展開しており日本語にも対応しています。国別で見るとユーザー数はアメリカが最大ですが、地域単位では北米・ヨーロッパ・アジア/オセアニアで大きな開きはなく、ユーザーは世界中に分布していると言えます。

アメリカにおけるLinkedInユーザーの特徴として、“高学歴・高所得”であることが挙げられます。ピューリサーチの調査によると、大卒で学士号を持つアメリカ人の53%がLinkedInを利用しているとのことです。一方で高卒未満の学歴でLinkedInを利用している人は10%程度となっており、学歴による利用率の差がもっとも大きいソーシャルメディアであるとピューリサーチは報告しています。
さらにMorning Consultantの調査でも、高額商品・嗜好品を頻繁に購入する人(=高所得者)は平均的なアメリカ人よりもLinkedInを使っている割合が高いという結果が出ています。

このような高学歴・高所得のユーザー割合が高いということは、B2Bマーケティングにおいてターゲットとなりえるビジネス層が多くいるということが期待できます。

 

B2Bマーケティングには必須のソーシャルメディア

実際、LinkedInはアメリカのB2Bマーケターの96%が使用していると回答しており、すでに必須のマーケティングチャネルになっていると言えるでしょう。以前の記事で、B2Bのバイヤージャーニーは「Awareness(気づきのステージ)」「Consideration(検討のステージ)」「Decision(決定のステージ)」「Retention(リピートのステージ)」の4段階に分かれていると解説しましたが、初期にあたるAwarenessでソーシャルメディアがもっとも効果的と回答したB2Bマーケターは50%にのぼりトップとなっています。

 

またeMarketerの別の調査では、LinkedInは他のソーシャルメディアよりもROI(Return On Investment=費用対効果)が高いというアンケート結果も出ています。このようなLinkedInのコストパフォーマンスの高さを受け、最近ではB2Bだけでなく、B2C企業もLinkedInアカウントを作ったりLinkedInで広告を出すというケースも増えてきています。

 

LinkedIn運用のコツ

LinkedInがB2B企業にとっていかに重要かが分かったところで、さっそく使い方について見ていきましょう。

まずはプロフィールを整えよう

アカウントを立ち上げたらプロフィール欄を埋めていきます。まずはプロフィール写真と背景画像を設定しましょう。たまに背景画像がブランクのままのページを見かけますが、これは企業ページとしては致命的で信頼性に欠けるので、必ず入れるようにしてください。できれば商品画像やオフィスの様子など、その会社の特長を表すようなグラフィックが望ましいです。
次に会社の紹介文章を記入します。Overviewの“Description”にあたる部分で、最大2,000文字記載ができます。無理に2,000文字書く必要はありませんが、自社のビジョンや事業をしているロケーション、どんな業界にどんな商品・サービスを提供しているのか、他社と違うユニークなポイントなど、特長が伝わるような内容にしましょう。文章内に業界でよく使われるようなキーワードが含まれているとベターです。
その他、ウェブサイトURLや業界、住所、従業員数など記入できる箇所は基本的にすべて埋めるようにしましょう。プロフィールが完璧に埋められたページは週間のページビュー数が30%も上がると言われており、たかがプロフィールと侮ってはいけません。

コンテンツを作成して投稿

プロフィールが整ったらフィードに投稿していきます。投稿の頻度に正解はありませんが、何より大事なのはコンスタントに投稿をし続けることなので、コンテンツが豊富に準備できるのであれば平日毎日、難しそうであれば最低でも週に1回など事前にルールを決めると運用がしやすくなります。
投稿の内容は「会社ニュース」「商品・サービス紹介」「ウェビナー情報」「展示会出展告知」「マネージャー・従業員紹介」「採用情報」などビジネスに関わることであれば何でも構いません。ネタがないときにはグループ会社の投稿のリポストや、業界情報のシェア等でもOKです。1点だけ、あまりセールス色が強すぎるとフォロワーが飽きてしまうため、商品・サービス関連の情報だけに偏らないよう配慮しましょう。またコンテンツのタイプも、文章だけでなく画像や動画などバリエーションを持たせるとより効果的です。

ユーザーとのコミュニケーション・ネットワーキング

投稿を継続していると徐々にフォロワーが増え、リーチ数もアップしていきます。すると投稿に対してコメントや質問が付いたり、個別にメッセージが来ることも増えてきます。そんなときはユーザーと積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。LinkedInはソーシャルメディアであり、ソーシャルメディアはコミュニケーションのためのツールです。自社のウェブサイトとは違います。一方的に投稿だけしてユーザーからのコメントや質問には一切反応しないアカウントも見かけますが、これは最悪のパターンと言えます。ユーザーはインタラクションを期待してソーシャルメディアを利用しているわけなので、無視することだけは避けましょう。

 

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