アメリカでのB2Bマーケティング Vol.3:必ず押さえるべき3つのチャネル

末永 恵

アメリカでのB2Bマーケティング Vol.3:必ず押さえるべき3つのチャネル

B2Bマーケティングの重要チャネル

デジタルマーケティングには基本となる3種のメディアがあり、それらをバランスよく運用するのが大切であることを前回の記事でお話ししました。今回はその中でもB2Bマーケティングにおいて特に重要な、必ずカバーしたい施策について解説します。

B2Bの重要マーケティングチャネル COOQIE Blog

eMarketerがアメリカのB2Bマーケターを対象に2023年に行った調査によると、もっとも影響力のあるマーケティングチャネルは「Eメールマーケティング」でした。続いて「ソーシャルメディア」「コンテンツマーケティング」という回答で、このトップ3が他のマーケティング手法に比べ圧倒的に高い数値となっています。
限られた予算・リソースであっても、この3つは最低限実施すべき項目として押さえておきたいですね。それでは1つずつ見ていきましょう。

 

B2Bウェブサイト

上記リサーチでの「コンテンツマーケティング」は広い意味でソーシャルメディアを含む場合もありますが、主にはウェブサイト内のコンテンツを意味します。B2B企業のウェブサイトはすべてのマーケティング活動のベースとなる部分なので、まず一番初めに取り掛かるべきでしょう。B2Bウェブサイトをデザインするにあたっては以下のような点に留意します。

B2Bウェブサイト制作のポイント

  1. 分かりやすい導線作り

  2. ユーザーにとって魅力的・必要なコンテンツを提供する

  3. ビジネスライクなデザイントーン

  4. CTA(Call to Action・コールトゥアクション)は明確に

  5. 信頼性のアピール

特に2はコンテンツマーケティングの肝となる部分です。自社の商品・サービスの紹介をただ文章で羅列するだけでなく、動画や実証データ、インフォグラフィックなどを組み合わせユーザーにとって理解しやすい内容を心掛けましょう。また5はアメリカでの知名度が低いブランドの場合特に設けたいコンテンツです。具体的なプロジェクト・企業名を出した北米市場での導入実績やクライアント企業からのレビューを載せることで、名前を聞いたことがなくとも信頼に足る商品・サービスを提供している会社だということを見る側に印象付けることができます。

 

以前の記事でお話ししたように、バイヤージャーニーの7割はGoogle検索などのオンラインリサーチに費やされると言われています。ウェブサイトは作って終わりではなく、バイヤーのオンラインリサーチにヒットするようSEO対策を実施したり、サイトのパフォーマンスを評価するためアクセス解析をして常にコンテンツのブラッシュアップを目指し、運用を継続することが大切です。
またB2Bバイヤーの若年化により、オーダーや支払いもオンラインを希望する人が83%という調査結果が出ています。働き方が多様で国内の時差もあるアメリカでは、人を介してのオーダーしかできないのはバイヤーにとって不便です。商材・商流的に問題がなければ、注文や購入はオンラインで完結できるようにすることが今後ますます必要になっていくと思われます。

 

Eメールマーケティング

前述のeMarketerの調査結果にある通り、EメールはB2Bマーケティングにおいてもっとも影響力のある方法です。eMarketerの別な調査でも、Eメールはバイヤーとのコミュニケーション手段の中で電話や展示会などのイベントよりもはるかに効果的という結果が出ており、欠かすことのできないチャネルです。

B2B buyer communication COOQIE Blog

 

Eメールをマーケティングに活用する場合は以下のようなポイントがあります。

B2B Eメールマーケティングのポイント

  1. 評価指標(開封率・クリック率・CV率など)を定めパフォーマンスの向上を目指す

  2. 各バイヤーのステージや業界によって内容をパーソナライズする

  3. オペレーションをオートメーション化し配信を継続する

 

またつい最近、アメリカのコカ・コーラ社がB2B向けのコンテンツ配信を開始しました。Coca‑Cola Lensと呼ばれるこのウェブサイトは小売店やレストランなどの飲食業界向けに飲料市場の最新トレンドやリサーチデータを提供しており、サブスク希望者に記事をメルマガ配信をしています。世界でもっとも有名なコンシューマーブランドと言っても過言ではないコカ・コーラがB2B向けのコンテンツ提供を始めたことは、それだけB2Bマーケティングの重要性が高まっていることを表しています。

 

B2Bソーシャルメディア=LinkedIn

B2Bマーケティングでソーシャルメディアと言う場合、アメリカではほぼLinkedInを意味すると言っていいでしょう。LinkedInはマイクロソフト傘下のソーシャルネットワークでFacebookのビジネス版のような存在であり、企業アカウントであれば会社のアップデートを投稿したりプラットフォーム上でユーザーとコミュニケーションを取ったりします。

個人アカウントの場合は就活や転職目的でレジュメ代わりにも使いますが、営業やネットワーキングに使用するケースも多く当然その中にはB2Bバイヤーも含まれます。今年2024年にアメリカのLinkedInユーザーの63.7%はミレニアル世代・Z世代になると見られており、今後デジタルネイティブ層にリーチするためにはウェブサイトと並んで必須のチャネルとなりそうです。

アメリカのB2Bマーケターの96%が使用しているLinkedIn。その具体的な活用方法について、次回詳しく解説します。

 

COOQIEでは北米でビジネスを展開する日系企業様向けにB2B専用マーケティングサービスを提供しています。必要なマーケティング施策がセットになったパッケージプランもございます。お気軽にお問合せください。オンラインミーティングをご希望のかたはこちらへ