アメリカでのB2Bマーケティング Vol.2:タッチポイントとバイヤージャーニー
B2Bデジタルマーケティング支出は増加傾向
B2Bバイヤーの若年化により、アメリカにおいては対法人ビジネスであってもオンラインプレゼンスが重要ということを前回のブログ記事で話しました。
B2B企業のマーケティング分野におけるテクノロジーへの支出は年々増えており、eMARKETERの2023年の調査によるとアメリカ全体でのB2Bデジタルマーケティングへの消費は今年2024年に87億ドルにのぼると予想されています。これは前年から13.4%の上昇でB2Cも含めたデジタルマーケティング総額の32.2%を占めており、B2Bデジタルマーケティング費がいかに急激に増えているかを示しています。
B2CマーケティングとB2Bの違いとは?
B2BマーケティングはB2Cと何が違うのでしょう?それを理解するために、まずはデジタルマーケティングの基本となる3種のメディアを見ていきます。
①ペイドメディア
オンライン広告など費用を支払って露出を図る有料メディアです。ブランド名や企業名などの認知拡大が主な役割なので必ずしもコンバージョンに直結するものではありませんが、他のメディアでは期待できないスケールで広くリーチを図ることができます。
②オウンドメディア
ウェブサイトとソーシャルメディアアカウントを中心に、自社で管理・発信するメディアです。どこかで会社や商品の存在を知り興味を持った見込み客に、より深い情報を与えるためのコンテンツの整備と、確実にウェブサイトにたどり着くためのSEO対策が欠かせません。
③アーンドメディア
第3者によって情報拡散されるタイプのメディアです。口コミやレビュー、ユーザーによるソーシャルメディアでのオーガニックポスト・コメントなどが含まれます。企業側ではほぼ内容のコントロールができないメディアですが、購入や問合せなどコンバージョンに至る最後の一押しとなる影響力があります。
3つのメディアはそれぞれ違う役割を持っており、企業側が発信すべきメッセージもユーザーが期待する情報の深度もメディアによって異なります。そのため「広告だけ大量に出せばいい」「ウェブサイトだけ完璧に作ればいい」では不十分で、その効果を最大化することができません。
これら3種をバランスよくカバーする必要があるという点においては、B2BもB2Cも変わりありません。ただしB2BとB2Cではターゲット層や購買までのプロセスが異なることから、この3つの各メディアで使用するチャネルと優先順位が異なります。
バイヤージャーニーを理解する
バイヤージャーニーとは、“バイヤー”つまりB2B企業にとっては直接の顧客となる買い手が商品の存在を知ってから購入し、さらにロイヤルカスタマー化に至るまでの一連の流れのことです。前回の記事でバイヤージャーニーはオンラインリサーチから始まることを話しましたが、プロセス全体は大きく以下の4つのステージに分かれます。
―Awareness(気づきのステージ)
主にオンラインでのリサーチにより、ベンダーの候補となる企業・商品の存在を認識する段階
―Consideration(検討のステージ)
ベンダーのウェブサイトや動画・ブログ記事・オンラインデモなどを通じて、商品のスペックや品質を確認する段階
―Decision(決定のステージ)
価格情報・サポート体制・第3者によるレビューなどを検証し、最終的に導入するかどうかを決める段階
―Retention(リピートのステージ)
商品を再度購入するかどうか検討する段階
商品の購入さらにリピートカスタマー化までには、これらバイヤージャーニーのそれぞれのステージごとに適切なタッチポイントを設ける必要があります。消費者が商品の存在を知ってからコンバージョンに至るまでは平均7回の情報接触が必要と言われています。B2Bマーケティングではこれらの各ステージにおいてバイヤーがどんな情報を期待しているのか、どんなタッチポイントがあれば次のステージに進んで行くのか、バイヤーのマインドをよく考えマーケティングチャネルを使い分けることが大切です。
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